Car
●序章
車だけに限らずバイクもそうなのだが、自分はスピードとか走りには全く興味がない。
長い間、好きな車はあったが購入までには至らなかったのは、自分にとって車やバイクは単なるファッションでしかないからだ。
とは言え自分の若い頃は、男子なら車は持ってて当たり前的な時代で、買い物するにもデートをするにも車は必需品だった。だが自分はどうしても欲しい車があったわけでもなく、長らく実家の車を拝借していた。
他のカテゴリーでも書いたのだが、30才を前にもっと自分の好きな世界にドップリ浸かった生活をしたいと思い立った。そこで会社の同僚が乗っていて以前から気になっていたVW Beetle Type-1を手に入れた。
車が自分のファッション(ライフスタイル)の中で大きな部分を占めるようになったのはここからだ。
●1981年頃 トヨタ ターセル
20才で免許を取って最初の車は、実家のトヨタ ターセル。茶色の方だ。1500ccのマニュアルでトヨタ初のFF車だそうだ。
母親が運転好きで、自分が小学生の頃はスバルR2に乗っていた。Fiatに似た素晴らしくキュートな車だ。その母親が2台目に買ったのがこのターセル。
先立つものがなく自分もこの車に乗らせてもらっていたのだが、家族共有で自由が利かず、出来れば自分の車が欲しかった。角ばったセダンが好きだったのでお気に入りは、箱スカGTとブルーバードSSSターボ。この2台は今見ても本当に美しいフォルムだ。
だが結局自分の車は買うことはなく、学生時代はずっとこのターセルに乗っていた。この車には特に思い入れはない。可哀想だが単なるデートの足だったと言える。
●1985年頃 日産 ラングレー
大学を卒業する頃、実家でターセルを買い替える事になり、今度は自分の希望を多少取り入れてもらえることになった。ブルーバードが希望だったが資金面で折り合わず、結局買ったのがこのラングレーだ。
スカイラインの弟分的な位置付けの車で、これは特別仕様の「renomaヴァージョン」。特別仕様といってもバッグとかの小物とエンブレムが付いてただけだ。
●1990年頃 VW Beetle Type-1
この頃、30才を前にもっと自分の好きな世界にドップリ浸かった生活をしたいと考えていた。さらに、職場が変わり休日が土日になった事で実家の車が使いにくくなり、ついに車の購入を決意した。
何を買うかは決めていた。会社でVW Beetleに乗っていた人がいて、その車に一目惚れ。その人にショップを紹介してもらって買ったのがこの水色のVW Beetle Type1 1303S。
買った時点ですでに15年落ちの1974年製だ。
カスタムは外装品のみで機械部分は完全ノーマル。
記憶の範囲で付け足した外装パーツは、
①ハンドル(ナルディウッド)
②アイブロウ
※角度を変えるとBeetleの表情が変わりかなり可愛い
③ホワイトウォールタイヤ”モドキ”
※タイヤとホイール間にはさんでホワイトリボンに見せるゴム
④サーフキャリア(スーリー)
※本当はアロハキャリアが欲しかったが手に入らなかった
⑤自転車用のリアキャリア
※キャンプ時にコンテナボックスを取り付けた
⑥スキーキャリア
※昔Popeyeの表紙で見て絶対付けたかった
⑦ルーフキャリア
※後にサーフキャリアをはずして付け替えた
あと、マフラーに付けるドレスアップパーツも付けてたような気がする。
スポルトマチックというセミオートマ車で、クラッチはないがギアチェンジがあるというおもしろい車だった。
100キロ越えると振動が激しくなるので、高速はいつも80キロキープ。でもそんなのんびりした走りがよく似合う車だった。
この車に乗っていた時期は、自分がいちばんアクティブだった時期と重なるため、たくさんの思い出がある。
キャンプ、サーフィン、フライフィッシング、天体鑑賞等、アウトドア系の趣味は常にこのBeetleと共にあった。
このBeetleはその後手放してしまったのだが、その事は今でも後悔している。これほど自分の趣味嗜好にマッチする車は他にないだろう。手放して13年経つが、未だBeetle以上に心惹かれる車には出会っていない。
またいつかBeetleに乗れる日が来ればいいなと思っている。
●番外編1 VW ウエストファリアのこと
Beetleに乗ってた頃、兄弟車のType-2バスやType-3バリアント、カルマンギアなどにも興味津々だった。
中でもBeetleの雰囲気を残しながら積載量豊富なバリアントは、一時買い替えも検討した。だが、その後当初全く興味がなかった写真のような70-80年代のType-2キャンパーが気になってきた。
ウェストファリアという会社(?)がキャンパー仕様にした車らしい。旧式のType-2のような可愛らしさはないが、この年式は70-80年代のアメリカっぽさがある。ポップアップルーフや冷蔵庫などを装備したこの車でキャンプするのは当時の憧れだった。
今でもこの車はお気に入りで、いつかはこんなキャンプも出来たらいいなと思っている。
●1997年頃 Buick Regal Estate Wagon
1997年頃、知人から車を買わないかと持ちかけられた。その車がこのBuick Regal Estate Wagon。
排気量3300cc、コラムAT、フル装備の大型ステーションワゴンだ。
Beetleの唯一の不満点はその非力な積載量だったが、Buickの積載は巨大だ。キャンプ道具はおろか3m近いサーフボードまで車内に収納可能。普段は隠れている3列目の補助シートもイカしてる。さらにコラムATのベンチシートというのも決め手だった。結局7年乗り続けたBeetleを手放し購入を決めた。
いざ乗ってみると、最初は左ハンドルと全長5m近い巨大な車体に戸惑ったが、慣れてくると直進安定性に優れた乗りやすい車だと分かった。CCRとか聴きながら空いてる高速を120キロ位で巡航してると気分は上々。車内はまさにアメリカだった。
だが、欠点も多い車だった。
まず燃費。覚悟はしていたがリッター5~7キロ、これはきつかった。またさすがアメ車、本当によく壊れた。走っていていきなりエンジン停止とか危険な状況も一度や二度ではない。しかもその度にヤナセに高額な修理代金を請求される。
狭い道を走ることを想定して作られてない車なので、取り回しの悪さにも苦労した。住んでいた湘南地区は幹線道路を外れると細い道が多い。そういう道を通る時は対向車が来ないことを祈った。
結局この車は仕事で豊橋に行った時いきなりエンジンブロー。そのまま現地で廃車になった。
購入から6年、自分があまりアクティブでない時期だったのに加え、バイクの購入もあり、この車ではあまり走らなかった事が心残りだ。
だがアメリカ信奉者だった自分にとっては、ある意味究極の車だったかもしれない。
●2007年頃~現在 スズキ スイフト
Buickを廃車にした後は車は購入していない。元々走りが好きという訳でもなく、車を必要とする趣味もほとんどやらなくなっているからだ。このスイフトは実家の車で必要な時に借りて乗っている。特に関心もないため書くことは何もない。
●番外編2 VW Beetleウルティマこと
Buick廃車後、車購入を考えた事が2度あった。
1度目は2003年に発売されたVW Beetleの最終生産車両、通称ウルティマ・エディションだ。
それまでのメキシコ生産のルックスではなく、以前自分が乗っていた70年代ルックスで、さらに新車のBeetle!。内装もCDが付いた位で当時そのままの雰囲気だ。さらにホワイトリボンのタイヤ。
完全に買う気になって実車も見に行ったが、ちょうどその時仕事でゴタゴタがありそれどころではなくなってしまった。
今でもこれ以上の車は考えられず、買っておけば良かったと後悔しきりだ。
●番外編3 縦目のベンツのこと
2度目に購入を考えたのが写真の縦目のベンツだ。ヤフオクに出品されてた車で一目惚れしてしまった。
前から古い縦目のベンツはかなり気になっていた。なんといっても顔がいい。現行の横目より深い重みがある。ドイツ車なので故障も少ないだろう。これにサーフボード積んで海に行ったり、ルーフに荷物満載でキャンプに行ったらカッコいいだろうな、なんて想像していた。
結局資金難で買う事はなかったが、縦目のベンツは旧式ジャガーと共に今でも気になるアイテムである。